「国籍」について考えてみた

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民進党・蓮舫代表代行の「国籍」問題。二重国籍だったとして「国籍」が注目されている。
国籍って? 二重国籍は法律違反? 国によって考え方が違う。
日本は「血統主義」、アメリカは「出生地主義」といわれている。
国籍法で規定されている「国籍」を、アメリカとの対比をしながらあらためて調べてみた。

Alexas_Fotos / Pixabay

1. 国籍:基本的人権の「権利」をもらえる国のこと

世界はグローバル化し、ヒト・モノ・カネ・情報が行き交う時代となったが、
ふつうの日本人にとってはいったん海外に出ないとあらためては意識しないだろう。

国籍とは自分が属する国。
・自分がどこの国に所属しているか
どこの国で基本的人権の「権利」があるのか、
・いざというとき、どこの国に自分の身を守ってもらえるのか…ということ。

いわば自分の権利が保障されている国の所属だ。

パスポートを失くしたら、泥棒に遭ったら、事故が起きたら、領事館や大使館に駆け込めばよい。外国に滞在しているときには、国に安全を守ってもらっている安心感とともに国籍を意識するときである。もちろん「権利」を得たら、国民としてその国の法律に従う責任がある。

2. 日本は「血統主義」

基本、日本人の血をひき日本で生まれれば、日本人=日本国籍となる。
両親のうちいずれか一方が日本人であることが必要。

国籍法
(出生による国籍の取得)
第二条 子は、次の場合には、日本国民とする。
一 出生の時に父又は母が日本国民であるとき。
二 出生前に死亡した父が死亡の時に日本国民であつたとき。
三 日本で生まれた場合において、父母がともに知れないとき、又は      国籍を有しないとき。

外国でお子さまが生まれたときは、日本国籍の留保をお忘れなく。

国籍法
第十二条 出生により外国の国籍を取得した日本国民で国外で生まれたもの
は、戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)の定めるところによ    り日本の国籍を留保する意思を表示しなければ、その出生の時にさか    のぼつて日本の国籍を失う。

日本に住む外国人が日本国籍を得ることも可能。
実際に「帰化」した人からお話しを伺うと、膨大な時間と労力がかかったそうで、相当大変そう。

国籍法
(帰化)
第四条 日本国民でない者(以下「外国人」という。)は、帰化によつ     て、日本の国籍を取得することができる。
2 帰化をするには、法務大臣の許可を得なければならない。

第五条 法務大臣は、次の条件を備える外国人でなければ、その帰化を      許可することができない。
一 引き続き五年以上日本に住所を有すること。
二 二十歳以上で本国法によつて行為能力を有すること。
三 素行が善良であること。
・・・・・・(以下、省略)

3. アメリカは「出生地主義」

アメリカで出生した子供は、アメリカ国籍となり、両親の国籍は問わない。
両親が移民で不法滞在者であったとしても、観光者であったとしても、生まれた子供には、出生した事実をもとに自動的にアメリカ国籍が与えられる。

アメリカ人との国際結婚後、永住権を得たあとには、継続的なアメリカでの居住要件をはじめ申請条件を満たしたうえで市民権(Citizenship)が申請可能。市民権とは「国籍」のこと。

成人してからの市民権申請には、テストがある。歴史や社会に対する質問・インタビューなど、国に対する知識が問われる。

eslfuntaiwan / Pixabay

テストの例題。英語で出題。力試しにいかがでしょう?
Washingtonpostのサイト
Citizenship Test 例題
”Can you pass the U.S. Citizenship test?”

市民権が取得できれば、アメリカ国民(US Citizen)となり、永住権ではなかった選挙権も得られる。

~このあと
「日・米 二重国籍への考え方」へ、続きます~

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